監修の言葉
<演劇情動療法とは>
健常者の知能は認知機能(IQ)と情動機能(EQ)に分けられる。 認知機能は仕事を円滑に進めるための知識であり生活の道具である。情動機能は人の痛みがわかるなど社会生活を円滑に進めるための知能である。
認知症では認知機能が低下しているが、怒り泣く、喜ぶなどの情動機能は比較的保たれている。認知症患者さんはこれから難しい仕事をすることもないので認知機能より情動機能が保たれていることが社会生活を円滑に進めるために必要と考えられる。
演劇情動療法は保たれている情動機能に良い刺激を繰り返すことにより、情動機能の低下を予防し社会生活をできるだけ長く送っていただくようにする方法である。認知症演劇療法により認知症患者さんが感動し泣いたりすることで、ストレスが癒されやる気が出てくる。場合によっては認知機能の改善もみられる。
単に喜ぶより感動して泣くという情動を最大限に刺激する方法が認知症演劇療法である。
・表情が明るくなった
・「ありがとう」と言われた
・会話が増え健常者以上の切り返しが来ることに驚いた
など